「散髪のたびに大泣きして、親子でへとへと」と悩んでいませんか。
発達障害のある子の散髪は、感覚の過敏さや見通しの持てなさが重なり、家庭でも美容院でも苦労しやすいものです。
- 散髪のたびの大泣きと格闘
- バリカンの音への強い怖がり
- じっと座っていられない悩み
- 美容院に迷惑をかけないかという心配
- 理解のある美容院の見つからなさ
わが家の息子も散髪がとても苦手ですが、理解のある美容院との出会いで、散髪の時間は大きく変わりました。

美容院で動き回ったら、迷惑をかけちゃいそうで連れて行けない…。

「動いてて全然いいよー」と言ってくれる美容院もあるんですよ。
この記事では、療育施設で働きながら自閉症の息子を育てる筆者が、自宅散髪の失敗から学んだことと、美容院でしてもらった工夫を紹介します。
散髪の時間を少しでも穏やかにするヒントを、見つけてみてください。
発達障害の子が散髪を嫌がる理由

発達障害のある子が散髪を嫌がるのは、わがままや単なる怖がりではなく、感覚や特性による理由があることが多く、本人もその理由をうまく言葉にできないものです。
理由が分かると、子どもに合った対策を考えやすくなり、親のイライラも少し減るはずです。

ここでは、療育の現場やわが家の経験からよく見られる、散髪を嫌がる代表的な4つの理由を順番に見ていきましょう。
触られる感覚やチクチクへの苦手さ
散髪では、頭や顔、首まわりを触られたり、切った髪が肌に落ちたりと、触覚への刺激がたくさんあります。
触覚に過敏さがある子どもにとって、細かい髪のチクチクは、大人が想像する以上に不快に感じられることがあるのです。
- 頭や首を触られる感覚
- 顔や首に落ちる髪のチクチク
- ケープが首にあたる感覚
- 霧吹きの水の冷たさ
わが家の息子も、自宅で散髪していたころは体に落ちる髪への配慮が足りず、それが嫌がる原因のひとつだったと振り返っています。
髪が体に落ちないようにする工夫は、散髪の苦手さをやわらげる大切なポイントです。
感覚過敏への対策は、次の記事でもくわしく紹介しています。

バリカンやハサミの音への怖さ
耳のすぐ近くで鳴るバリカンの振動音やハサミの音も、散髪を怖がる大きな理由になります。
聴覚に過敏さがある子どもにとっては、耳元の音が大きく響いて聞こえたり、何の音か分からず不安になったりするためです。
- バリカンの振動音
- 耳元でのハサミの音
- ドライヤーの音
音が怖いときは、いきなり使うのではなく、道具を見せたり音を少し離れた場所で聞かせたりして、少しずつ慣れていく方法があります。
道具の正体が分かるだけで、怖さがやわらぐ子もいます。
先の見通しが立たない不安
いつ終わるのか分からないことも、散髪を嫌がる理由のひとつです。
見通しを大切にする子どもにとって、終わりの見えない散髪は、それだけで大きな不安につながりやすいのです。
- 今どこを切っているのか分からない不安
- あとどのくらいかかるのか分からない不安
- 何をされるのか分からない不安
「次は横を切るよ」「あと3回で終わりだよ」など、今していることと終わりを言葉で伝えると、安心しやすくなります。
見通しを持たせる声かけについては、次の記事も参考にしてみてください。

じっと座っていることの難しさ
散髪中に同じ姿勢でじっと座り続けることが、そもそも難しい子どももいます。
体を動かしたい気持ちや、座ったままでいることへの居心地の悪さから、立ち上がったり歩き回ったりしてしまうのです。
- 椅子に座り続けることの難しさ
- 体を動かしたい気持ちの強さ
- 鏡の前で動きを止める難しさ
わが家の息子も座っていられないタイプだったので、動き回っても対応してくれる美容院に出会えたことは大きな助けになりました。
「座らせなければ」と思い込まないことも、散髪を楽にするひとつの考え方です。
自宅で散髪するときの工夫

美容院に連れて行くのが難しい時期は、自宅で散髪をしている家庭も多いのではないでしょうか。
自宅散髪は子どもが慣れた場所でできる一方で、親だけで子どもを支えながら切る大変さもあるため、事前の準備と工夫がとても大切です。
ここでは、わが家で実際にしていた工夫と、あとから気づいた「こうすればよかった」というポイントを、すぐに試せる形で紹介します。
好きな動画で気持ちをそらす工夫
自宅散髪でわが家が取り入れていたのが、好きな動画を見せながら切る方法です。
好きな動画に気持ちが向いていると、触られる感覚や音から意識がそれやすくなるためです。
- 子どもが夢中になれるお気に入りの動画
- 切る前からの再生開始
- 画面が見やすい位置への設置
動画だけですべてが解決するわけではありませんが、気持ちをそらすきっかけのひとつとして取り入れやすい方法といえます。
美容院でも動画を見ながら切ってもらえることがあるので、家で慣れておくと安心です。
家族での役割分担
自宅散髪をするときは、ひとりで全部やろうとせず、家族で役割を分けるのがおすすめです。
髪を切る人と子どもの相手をする人を分けると、切る人は手元に集中でき、子どもも安心しやすくなります。
- 髪を切る役
- 子どもに声をかけて気持ちをそらす役
- 動画やおもちゃを準備する役
わが家でも、夫と役割分担をしながら散髪をしていました。
子どもの相手をする人がいるだけで、切る人の焦りも減るので、結果的に早く終わりやすくなります。
切った髪が体につかない工夫
自宅散髪で見落としがちなのが、切った髪が体や服につく不快感への対策です。
チクチクする髪が首や背中に入り込むと、それだけで散髪全体が嫌な経験になってしまうことがあります。
- 首元がやわらかい散髪用ケープの使用
- こまめに髪を払うブラシの用意
- 切った髪を吸い取るバリカンの活用
- 散髪後すぐのシャワーや着替え
家庭用にも、切った髪を吸い取る機能のついたバリカンがあります。
「髪がつかない」だけで、散髪の不快感はぐっと減るので、ぜひ取り入れてみてください。
わが家の自宅散髪の失敗と気づき

ここからは、わが家が自宅散髪で苦労していたころの体験と、そこから気づいたことを、失敗も含めて正直にお伝えします。
当時は必死で気づけませんでしたが、振り返ってみると息子を怖がらせてしまう原因をいくつもつくっていたと感じています。
同じように自宅散髪で悩んでいる方にとって、わが家の失敗が、少しでも楽になるためのヒントになればうれしいです。
浴室で2時間かかっていたころ
息子が2歳ごろまで、わが家では自宅の浴室で散髪をするのが当たり前になっていたのです。
動き回る息子を私か夫が押さえ、もう一人が髪を切るというやり方で、毎回2時間ほどかかっていました。

うちも毎回大泣きで、終わるころには親のほうがぐったり…。
このままでは散髪そのものに恐怖心を持ってしまうと思い、やり方を見直すことにしました。
2時間もかかる散髪は、子どもにとっても親にとっても大きな負担です。
体を押さえたことで強まった恐怖心
今振り返ると、一番の失敗は、動き回る息子の体を押さえて切っていたことだと思います。
押さえられること自体が怖い経験になり、散髪への恐怖心をかえって強めてしまっていたのかもしれません。
- 体を押さえられる怖さ
- 逃げられない不安
- 散髪そのものへの苦手意識

ハサミを使う以上、安全のために押さえるしかない場面もありますよね。わが家もそうでした。
ただ、押さえるほど怖さが強まるという悪循環になりやすい点には、注意が必要です。
押さえずに済む方法を考えることが、散髪を楽にする第一歩だと感じています。
体に落ちる髪への配慮不足
もうひとつの失敗は、切った髪が体に落ちることへの配慮が足りなかったことです。
浴室で切っていたこともあり、細かい髪が首や体についたままになり、息子にとってはチクチクして不快な時間だったのだと思います。
- 首や背中に入り込む髪
- 顔につく細かい髪
- 散髪後も残るチクチク
のちにお世話になった美容院では、髪を吸い取るバリカンで、切った髪が体に落ちないようにしてくれていました。
散髪のつらさは、切っている最中だけでなく、落ちた髪の不快感からも生まれると知っておくと、対策を考えやすくなります。
理解のある美容院の探し方

自宅散髪が難しいと感じたら、発達障害のある子の散髪に理解のある美容院を探してみるのもひとつの方法です。
子どもの特性に合わせて時間や切り方を工夫してくれる美容院もあり、プロに任せることで親子の負担が大きく減ることがあります。

ここでは、わが家が今の美容院を見つけた方法と、初めての美容院を予約する前に確認しておきたいことを紹介します。
発達障害と地域名での美容院検索
わが家が今の美容院を見つけたのは、インターネット検索がきっかけでした。
「発達障害」「美容院」に住んでいる地域名を組み合わせて検索したところ、発達障害のある子の散髪に対応している美容院が見つかりました。
- 発達障害 美容院 地域名
- 自閉症 散髪 地域名
- 子ども 散髪 苦手 美容院
「キッズカット」などの言葉で探すと、子どもの散髪に慣れた美容院が見つかることもあります。
ホームページやSNSで、発達障害のある子への対応について書かれているかを確認してみてください。
療育先や親同士の口コミ
療育先の先生や、同じ悩みを持つ親同士の口コミも、美容院を探すときの心強い情報源です。
実際に子どもを連れて行った人の話は、ホームページだけでは分からない雰囲気や対応を知る手がかりになります。
- 療育先の先生への相談
- 療育先で知り合った保護者からの情報
- 親の会や地域の子育てサークルでの口コミ
散髪の悩みは多くの親が抱えているので、思い切って周りに聞いてみると、意外な情報が集まることもあります。
ひとりで探すより、周りの人の経験を頼るほうが、子どもに合う美容院に早く出会えるかもしれません。
予約の前に確認したいこと
美容院を予約する前には、子どもの特性に対応してもらえるかを確認しておくと安心です。
事前に伝えておくことで、美容院側も準備ができ、当日の流れがスムーズになりやすいからです。
- 空いている時間帯や営業時間外の対応の可否
- 座れなくても切ってもらえるかの確認
- 途中での中断や日を分けた散髪の可否
- 苦手な感覚や好きなものの共有
わが家の美容院では、本来の営業時間の1時間前から散髪を始めてくれたので、ほかのお客さんを気にせず過ごせました。
困っていることを正直に伝えるほど、美容院も工夫をしやすくなります。
美容院でしてもらった工夫

わが家がお世話になった美容院では、散髪が苦手な息子の特性に合わせて、時間の使い方から声かけまでさまざまな工夫をしてもらいました。
どれも家庭ですぐにまねできるものではありませんが、美容院選びや自宅散髪のヒントになる工夫ばかりです。
ここでは、実際にしてもらった4つの工夫を、そのときの息子の様子とあわせて、美容院選びのポイントとしても使える形で紹介します。
営業時間前の静かな時間帯での散髪
まずしてもらったのが、本来の営業時間の1時間前に散髪を始めるという配慮です。
ほかのお客さんがいない静かな時間帯なので、周りの目や音を気にせず、息子のペースで進めてもらえました。
- ほかのお客さんの目を気にせずに済む安心感
- 周りの音や話し声の少なさ
- 時間に追われない進め方
混雑する時間帯は、音や人の多さだけで疲れてしまう子どももいます。
空いている時間帯を相談できるかは、美容院を選ぶときの大切なポイントです。
バリカンを見せるところからのスタート
美容院では、いきなり髪を切り始めるのではなく、バリカンを動かさずに見せるところから始めてくれました。
バリカンがどんな道具なのかを先に知ってもらうことで、怖さをやわらげる狙いがあったのだと思います。
- 動かさない状態でのバリカンの見せ方
- 好きな動画を見ながらの散髪
- 子どもの様子に合わせた進め方
息子も、動画を見ながら少しずつバリカンの存在に慣れていったようでした。
「いきなり使わない」という小さな配慮が、散髪への怖さを減らす大きな一歩になります。
動き回ってもOKという声かけ
特に心強かったのが、無理に椅子に座らせず、店内を動き回るのを受け入れてくれたことです。
美容師さんは「動いてて全然いいよー」と声をかけてくれて、歩き回る息子の髪を、バリカンで一瞬のうちにさっと刈ってくれました。

歩き回る息子の動きに合わせて、一瞬でさっと刈ってしまうのは、まさにプロの技でした!
座っていることを求めないことで、息子も怖がらずに過ごせていたように見えました。
「じっとしていなくていい」という安心感が、子どもにとっては何よりの支えになるのです。
髪を吸い取るバリカンの活用
美容院で使ってもらったバリカンは、掃除機のような機械とつながっていて、切った髪をその場で吸い取る仕組みになっていました。
切った髪が体や服に落ちにくいので、チクチクする不快感を減らすことができます。
- 体や服に落ちにくい切った髪
- 首や背中に入り込むチクチクの軽減
- 散髪後の片付けの楽さ
自宅散髪で髪への配慮が足りなかったわが家にとって、この道具は大きな違いでした。
髪を吸い取るバリカンがあるかどうかも、美容院を選ぶときに確認しておきたいポイントです。
散髪が楽になるまでの変化

理解のある美容院に出会えたからといって、最初から短時間でスムーズにできたわけではありません。
初回は2日に分けて切ってもらい、約10か月後の2回目には1日で、1時間ほどで終えられるようになりました。

ここでは、わが家の散髪がどのように変わっていったのかを、初回から2回目までの流れとあわせて、私なりに感じた変化の理由も交えて紹介します。
2日に分けた初回の散髪
初めての美容院では、無理に1日で終わらせず、2日に分けて散髪をしてもらいました。
1日目は50分ほどかけて後ろと横の髪を切り、それだけでもいい感じのスタイルに整えてもらえたのです。
- 1日目:約50分で後ろ髪と横の髪
- 2日目(翌日):約30分で前髪
翌日の2日目には、30分ほどで前髪を切ることができました。
一度で全部終わらせようとしないことが、子どもの負担を減らすポイントだと感じています。
1時間で終わった2回目
2回目の散髪は、初回から10か月ほどたってからのことです。
このときは1日で、1時間ほどで散髪を終えることができました。

2日がかりだったのが1時間に!それはうれしい変化ですね。
初回とくらべて、散髪に対する息子の構え方が変わってきたように感じました。
時間がかかっても、子どものペースで少しずつ進めばいいと考えると、親の気持ちも楽になります。
苦手意識が減った理由
散髪が楽になった理由は、ひとつではないと思います。
10か月の間に息子自身が成長したことに加えて、初回に時間をかけて丁寧に切ってもらった経験を、息子自身が覚えていたからではないかと感じています。
- 息子自身の成長
- 初回の丁寧な対応の記憶
- 怖い思いをしなかった経験
「散髪は怖くない」という経験をひとつでも積めると、次の散髪への向き合い方が変わってくるのかもしれません。
苦手なことほど、最初の経験を大切にしてあげたいと感じています。
散髪を嫌がる子のよくある質問

ここでは、散髪を嫌がる子どもについて多くの親が抱きやすい疑問に、療育施設で働く立場と、散髪に苦労してきた親の立場からお答えします。
子どもの特性によって合う方法は違うので、わが子の様子を見ながら取り入れられそうなものから試してみてください。
すべてを読む必要はないので、気になる質問から読み進めて、次の散髪の準備に役立ててみてください。
美容院デビューの年齢の目安
美容院に行く年齢に決まりはなく、子どもの様子や美容院の対応によって判断すれば大丈夫です。
わが家は3歳ごろに美容院での散髪を始めましたが、年齢よりも子どもに合った美容院かどうかのほうが大切だと感じています。
子どもの散髪に慣れた美容院であれば、小さいうちから相談にのってもらえることもあります。
自宅と美容院のどちらで切るべき?
自宅と美容院のどちらが良いかは、子どもの特性や家庭の状況によって違います。
自宅は慣れた場所で切れる安心感があり、美容院はプロの技術で短時間に仕上げてもらえるのがメリットです。
わが家のように、自宅散髪がうまくいかないときは美容院を頼るなど、状況に応じて使い分けてみてください。
散髪の頻度の目安
散髪の頻度は髪の伸び方や髪型によって違いますが、短めの髪型なら1〜2か月に1回ほどが目安とされることが多いようです。
散髪が苦手な子の場合は、伸びすぎる前に短時間で整えるほうが負担が少ないこともあります。
子どもの負担と見た目のバランスを考えながら、家庭に合ったペースを決めていきましょう。
散髪の前に家でできる練習
散髪の前に、家で少しずつ慣れておく練習をしておくと安心です。
髪をとかす、ケープの代わりにタオルを首に巻く、バリカンの音を動画で聞くなど、散髪の一部を遊びのように体験しておく方法があります。
人形やぬいぐるみの散髪ごっこをして、散髪の流れをイメージしておくのもおすすめです。
美容院に事前に伝えておきたいこと
予約のときや当日の最初に、子どもの特性や苦手なことを美容院に伝えておきましょう。
苦手な感覚や音、座っているのが難しいこと、好きな動画やおもちゃなどを伝えておくと、美容院側も対応の準備をしやすくなります。
過去の散髪でうまくいったことや、うまくいかなかったことを伝えるのも参考になります。
爪切りも嫌がるときの工夫
散髪だけでなく、爪切りを嫌がる子どもも少なくありません。
寝ている間に少しずつ切る、好きな動画を見ながら切るなど、子どもの負担が少ないタイミングを探すのがおすすめです。
爪切りや散髪の前に「これから切るよ」と予告しておくことも、見通しを持つ助けになります。
まとめ|笑顔で迎える散髪の日

発達障害のある子が散髪を嫌がるのは、触られる感覚や音、見通しの持てなさ、じっとしていることの難しさなど、子どもなりの理由があるからです。
自宅散髪では動画や役割分担、髪が体につかない工夫を取り入れ、難しいときは理解のある美容院を頼ることも考えてみてください。
- 散髪を嫌がる4つの理由の理解
- 動画や役割分担など自宅散髪の工夫
- 体を押さえず髪を落とさない配慮
- 発達障害に理解のある美容院の探し方
- 一度で終わらせない散髪の進め方
まずは、「発達障害」「美容院」とお住まいの地域名で一度検索してみることから始めてみませんか。
子どもに合った美容院に出会えると、散髪の時間は親子にとってぐっと穏やかなものになるはずです。
散髪の日が、親子にとって少しでも笑顔で迎えられる日になることを願っています。



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